初めてのプリント基板とコンビニのコピー機
概要
自作キーボードを作るにあたり、初めてプリント基板の製作に挑戦し、3度目の正直でいろいろ学びがあった。 コンビニプリントを使った情報があまりみつからなかったので記録する。
プリント基板に必要なもの
電子部品屋で買うもの
マルツ秋葉原本店
100均で買うもの
DAISO
- ポリエチレンの容器・小 (基板が入るサイズの平らなもの)
- 容器・大 (容器・小が入るサイズ)
- スチールウール
- ビニール手袋
薬局で買うもの
- 除光液 ¥1000 (アセトン・水だけのもの)
ホームセンターで買うもの
- ルーター ¥1000 (Φ1mm 穴あけ用)
パターン制作手順
最終的にコンビニのコピー機で出力するための画像を作る。
- 背景透過、黒でパターン画像を作る
- Photoshop で A4 新規作成、真っ黒のレイヤーを配置
- 左右反転したパターン画像を手前に配置
- レイヤー効果でパターン画像に白く縁取りする
- サイズ合わせ用にパターン画像の脇にちょうど 10cm の長さを描く
- ネットプリントで A4 白黒を選択してアップロード。普通紙で OK
- セブンイレブンで印刷
- 定規で 10cm が正確か調べる
- 適宜サイズを調整して再度印刷
- 揚げ鶏を購入して帰宅
ネットプリントで入稿するので、PDF が作れるソフトならなんでも良いと思う。 使い慣れていた Sketch でパターンを作り、Photoshop で加工して A4 の PDF にした。 Photoshop 上で実寸になっていても、0.1% くらいの大きさの誤差が出るのでコンビニにノートパソコンを持っていって調節した。 また、配線部分以外も黒に塗りつぶして銅の面積を大きくする。キャンバス全体を塗りつぶした上、レイヤー効果で0.5mmくらい縁取りすればよい。配線だけ配置したパターンを作るとたくさんの銅を溶かさなければいけなくなり、安くないエッチング液を消耗してしまうのを防ぐため。 念の為、左右反転したものと通常のパターン画像を印刷するとよい。家に帰ってから冷静にどちらを使うべきか判断するため。 穴あけのガイドのため、パーツのピンがささる部分のランドの中心を白くしておくと吉。
プリント基板製作手順
基板をカットする
アクリルカッターで切る。この際、銅板側から切ると綺麗に切ることができる。 最初に逆側から切ったときは残った銅版で基板がバリバリ剥がれて見栄えが悪くなってしまった。
基板をこする
ここからの手順はビニール手袋をつけて行う。指が直接銅箔面にふれるとわずかな時間でも変色してしまうため。 基板表面の汚れなどを取るためにスチールウールで基板をこする。 しかし、買ったときに生基板が袋に入っていて十分綺麗に見え、やらなくても良さそうだったが一応やっておいた。
パターンを転写する
- パターンを印刷した紙を基板のサイズに切る
- 基板にアセトンをビシャビシャにかける
- すぐに紙を基板に重ねる
- 気泡を伸ばすように押し付けながら位置を調整する
- 基板の位置がずれないようにしながら指の腹で紙をこする
- 乾くまでこする (3分程度)
- 紙を剥がす。このとき紙はやぶれるが大丈夫
- 水洗いして指でこすって紙をよく取る。転写されたパターンは指でこすっても取れないので大丈夫
最初はクランプで基板 - 紙 - ベニヤ板と挟んで30分くらい待つということをしていたけど、転写にムラがあるし乾燥に時間がかかるためあまり良くなかった。
エッチングする
- 容器・小に基板を入れる
- 基板がちょうど浸るくらいエッチング液を入れる
- 容器・大にお湯を入れる (家庭の洗面台から出る 41度くらいのお湯で OK)
- 銅が溶けきるまで容器・小を揺らす (小さめの基板で15分くらい)
- 基板を水洗いする
- 基板を拭いたあとスチールウールでこすり、銅が出てくるまで黒い部分を落とす
オキシドール、クエン酸でのエッチングも試しましたが、半日くらいかかって大変だったので少し高いですが第二酸化鉄のエッチング液のほうがおすすめです。
その後
- ルーターで穴を開ける
- パーツをはんだ付けする
- ハヤコートをかける
完成!